(47)私の知能レベル

人間年を取ってくると当然体力も落ちてくる。
体力が落ちることは十分に自覚できるのでこればかりは誰も認めざるを得ない。
体力が落ちると言う事は脳細胞の活動も低下している訳だから知能も落ちているはずである。
しかしこればかりは当人が自覚するのは難しい事のような気がする。
だが、最近フリーの競馬ライターの文章を読んでいて、余りの発想の違いに自分はひょっとしたら知能レベルが極端に低いのだろうかと感じてしまった。

私は競馬予想にTARGETと言うソフトを使っているので、たまたまそこのサポートのページへ行ってLINKの欄をアクセスした時の事である。
そこに中に市丸博のパソコン競馬ニュースと言うリンクがあってそこを何気なくアクセスしてみた。
私はTARGETは随分昔から使っているが、予想方法関係のページは良くみるのだが、競馬評論家や競馬ルポライターのページを見る事はほとんど無い。
はっきり言うと、口先だけの怪しげな情報を提供して飯を食っている連中ばかりのような気がして、自分の性格として嫌悪感を覚えるからである。

勿論、これは私が個人的にそう思っているだけであり、これらの人達は競馬関係の本も何冊も執筆したりしているので社会的に認められているりっぱな人達だろうとは思う。
単に私の好き嫌いの問題だけなのであるが、市丸博のパソコン競馬ニュースのページ中ほどに出ていた2008年2月25日に書かれた谷川義久の馬券の未来図と言うしゃれたタイトルが少々気になったのでそれを読んで見たのである。
てっきり将来の馬券はこうあるべきではなかろうかと言うような斬新的な内容だろうと期待したのだが、全く異なっていた。
内容を要約するとJRAの馬券の売り上げが年々減少しているのだが賞金額は変わらないのでJRAは年間36億円不足するから、これを補う方法を提案すると言うものだった。

フリーの競馬ライターがJRAの売り上げの増収策を具体的に考える事自体が私の感覚とは程遠いものなのだが、その増収策は以下のような内容であった。
この20年で缶コーヒーは100円から120円になったので、馬券が買いにくくはなると思うが、最後の手段としては’どうしようもなくなったときの切り札とする’(馬券の最小購入単位金額の引き上げ)と提案をしている。
私の知能レベルでは、缶コーヒーと馬券とは全く異質な物であるし、馬券の販売単位を100円から120円にすると増収に結びつくメカニズムが全く理解できない。
仮に馬券の最小購入単位が1000円だったら金持ちしか馬券を買えないので売り上げは確実に減少すると思うし、500円でもしかりだし、200円でも単純にJRAがそれで増収に結びつくかどうかは疑問である。
この人の論理だと馬券の最小購入金額の単位を50円にすればJRAの売り上げは激減するはずだが、私は逆になる場合も十分にあり得るのではないかとさえ思っている。
増収のメカニズムの理解以前に、こんな発想を私が思いつく事は絶対に無いだろう。

別な増収策として提案しているのは、控除率の引き上げである。
これには時代に逆行しているので反発を招くだろうからと段階的控除率の採用と称して馬券の購入金額の少ない人(1万円以下の購入)は30%の控除率にして、それ以上の購入は従来通りの25%にする等と書いてある。
その他にもJRAの増収策として馬券のプリペイド化だとかチップ化だとかエントリーフィを取る方法などを挙げているが、いずれも私の常識では理解できる範囲を超えていてとてもついていけない内容である。
最後には競馬場の入場料を値上げする方法もあるだとか、資産とか年収とかの壁を取り去って馬主を増やした方が良いだとかも提案している。

そして最後にはこう締めくくっている。
’いずれにせよJRAにとっては、数十億から数百億、できれば1000億円単位での増収が至上命題。やれることは何だって、少なくとも検討くらいはしてもらってもいいはずである。’

自信満々の書きっぷりで、俺の提案をJRAは聞けと言わんばかりである。
私はこの人の書いた物をみるのは初めてで、これだけではなんとも言えないのだが、こうした内容の物を数年間に渡って何百回も書いている人のようなので競馬ライターとしては著名な人なのだろう。
きっと知能レベルも高い人なのだろうと思う。
そうなると、全く理解できない私の知能レベルはこの人の半分以下だろうと思う。
競馬予想が当たらないのは、どうやら生まれつき知能レベルが低かったためだったらしい。