(46)フェブラリーSを予想する

競馬の予想は競馬評論家と言う職業の人達がやっておりますが、ご存知の通り人気馬中心の予想の割りにはめったにあたりません。
予想に至った根拠も非常に曖昧ですし、データよりも本人の主観的要素ばかりが多くて説得力の無いものになっております。

競馬予想とは本来どのようにやるべきものなのかのお手本を期待しても、テレビに出てくる競馬評論家のレベルでは無理のようです。
結局は自分で考えるしかありませんが、正攻法としてやらなければいけない事は決まっていると思います。
(1)レースのペースを握る馬はどの馬であるのか。
先頭、又は先頭集団を走る馬がレースのペースを握っている事は明白ですので、まずその馬を探さなくてはなりません。
(2)レースのペースを握る馬のラップタイムはどのようになるのか。
余程の大逃げでも打たない限り後続の馬はその馬のペースに沿って走る事になります。
そのペースによっては、馬群が縦長になったり団子状態になったりもしますが、縦長になる場合はそのペースに付いていけないか、ペースが速すぎると思って騎手が抑えているかでしょう。
(3)4コーナーを曲がった各馬の位置関係はどうなっているのか。
レースのペースと4コーナーを曲がった各馬の位置関係でレース結果はほぼ決定します。
位置取りがどのようになるのかは、馬場の状態、各馬の脚質、レース展開によっても変ってきます。
騎手の能力にも関係しますので、位置関係の予想はしにくいものですが、ここまでできれば予想としては完璧に近いと思います。
そのレースの当該騎手ならば、予想されるパターンは数十通りも考えて騎乗している事でしょう。

私は競馬の予想は上記の3要素を基にするべきであると思うし、これ以外には考えられないのですが、競馬評論家がこのようなレース予想を行っているのを見た事がありません。
せいぜい、この馬は先行しそうだとか後ろから行くだろう程度でお茶を濁している程度のようです。
特定の馬の過去の推定ラップタイムを取り上げて、能力が高いとか低いとか解説している競馬評論家も見かけますが、これから実際に行われるレースがどうなるのかを具体的に解説して競馬予想を行っている(行えるレベルの)競馬評論家は皆無と言って良いでしょう。
競馬評論家の中にはゴール前の直線の映像を流しながら、馬の脚色で各馬の能力を評価している人もおります。
私には、レースの途中の過程を無視して、ゴール前の状態だけで馬の能力を判断するのは危険(無意味に近い)であると考えております。
ちょっとしたレースの流れや馬場状態の違いで、ゴール前の状態は全く異なった状況になるのは競馬の常識と言えるでしょう。
単なる時間繋ぎでレース映像を流しているのかも知れませんが、見ている方は競馬予想はそうやるもんだと思ってしまいます。

調教状態やパドックの状態は無視して良いのかと思われるかも知れませんがとんでもありません。
レースに参加する馬が、まともな状態であるのかは常に確認しなければいけません。
ひょっとしたら、以前の状態より悪くなっているかもしれませんし、逆の場合もあります。
その場合には多少の修正をしなければなりません。
但し、どんな状態の変化を感じられても、潜在的な能力が開花でもしない限り、二流馬が一流馬に変化する事などは無いでしょう。
もし、そのような事が日常的に起こっているのなら、競馬予想は不可能と言わなければならないでしょう。

コースの状態と騎手がどのような位置取りを行うのかについては残念ながら予想する事ができません。
コースの状態はその日のレース内容を見る事によってだいたいは確認できますが、騎手がどのようなペースでどのような位置取りをするのかについては全く判りません。
基本的には、過去のレース内容から想像するしかありませんが、レース経験の多い馬で先行馬が突如として追い込み馬に変わるような事は極めて少ないですから、予想は可能だと思います。

さて、本題のフェブラリーSの予想を行って見る事にします。
このレースは16頭が出走しておりますが、@ABの馬番の馬は私は無条件に除外させて貰いました。
G1レースで地方出身の馬や12歳馬ではとても勝負にならないと見ているからです。
残りの13頭の中からペースを握る馬を探すのは簡単でした。
福永祐一騎手のEメイショウバトラーでほぼ間違いないと思います。
枠順も良いですしすんなり抜け出せると思います。
福永騎手は決して無謀な逃げはしませんので、ペースもこの馬の理想的なペースで逃げるはずです。
3週前の根岸Sは馬場が不良でしたが、東京のダート1400mを2番手で走っておりましたので、1番手のタイセイアトムのペースに近いものと思います。
タイムは、12.2−10.7-11.4-12.0-11.9-12,0ー13.0 1分23秒2 に近いと思います。
今回は馬場が良馬場ですし、距離が200m伸びていますので、これに標準的なタイムの12.5秒足して1分35秒7程度で今回は走るものと思われます。
この馬の脚質から上がりは36秒を切れるとは考えにくく、実際は上がりは36秒5程度と見るべきでしょう。

ペースを握る馬の走破タイムが判れば、このタイムより早く走れる馬を探して見る事にします。
このレースに参加している馬は前走が平安S組と根岸S組、JCD組に分けられます。
この中でJCD組と平安Sの両方に参加していた馬から判断して、やはりJCD組の方がレースのレベルが少し高いようです。
Hメイショウトウコンをものさしにしてみると、JCDで4着の馬が平安Sでは2着になれる事から、そのように想定できます。
では、距離の短い今回のレースでHメイショウトウコンはどのようなタイムで走れるのでしょうか。
平安Sはレースのペースが遅くてこのペースでは、今回は逃げ馬に到底届きません。
特に2着のHメイショウトウコンは1着になれるチャンスを後ろにいすぎて1着馬に首差届かない騎乗ミスをしております。
JCDは逆にペースが速すぎて、レコードを記録する程のレースになっています。
しかしこのことで、今回の1600mでは、このペースで走っても、後続馬は潰れない事を示しております。
今回の1番人気のNヴァーミリアンはおととしのフェブラリーSにも参加しておりますから、今回の走破タイムも容易に想定できます。
その時はルメール騎手が騎乗しておりましたが、良馬場でのタイムは1分35秒8で上がりは36秒8でした。
JCDでレコードを出して勝った馬にしては平凡なデータですが、今回もこんなものでしょう。
今回は1番人気ではありますが、楽勝できるような馬では無い事は確かでしょう。

根岸SとJCDのレースの比較ができる馬も存在しています。
Oワイルドワンダーがその馬で、JCDは5着で根岸Sは1着になっています。
JCDはハイペースに巻き込まれて5着になってしまいましたが、根岸Sでは自分のペースを守って堂々の1着です。
この馬は根岸Sより距離が200m伸びた今回でも、JCDの実績から大きく崩れない事は想定でき、今回のレースでも有力な馬であることは間違いありません。
今回3番人気のCフィールドルージュですが、この馬も昨年のフェブラリーSに参加しており5着ですが、このレースではIブルーコンコルドが2着ですから、勝負付けが済んでいるとすればこの馬より能力は低い事になります。
しかもこのレースでは、Lビッググラスにさえ負けているのです。
この馬はその後成績が悪く、今回はなんと16番人気になっているのです。

現在の馬の状態を無視すれば、1着になる可能性の高い馬は現在7番人気のIブルーコンコルドでしょう。
問題は8歳馬なので年齢による能力の低下がどのように影響するかだけでしょう。
次に勝つ可能性の高い馬は6番人気のHメイショウトウコンでしょう。
その次に今回の人気のNヴァーミリアン、Oワイルドワンダーが並んでいると思います。

現在の人気からは考えられない予想ですが、私には久々に予想のやり易いレースに思えます。
4点BOXで買えば、馬連なら取れそうな気がするのですが、またしても幻想なのでしょうか。

【後記】
このレースの1番人気はNヴァーミリアンで2.4倍、2番人気がCフィールドルージュで5.0倍、3番人気がOワイルドワンダーで5.1倍でした。
結果は1着が1番人気のNヴァーミリアンで2着が7番人気のIブルーコンコルドでした。
私がどんな馬券を買ったのかの記録が残っておりませんので不明ですが、的中できた事はうっすらと記憶しております。
馬連がが2820円の配当でしたので、儲かった気分に浸れたのを思いだします。
予想は完璧だったと言いたいのですが、2番人気のCフィールドルージュが故障を発生して競走を中止しておりますので、本当に完璧な予想だったのかは今でも分かりません。