馬連が94630円という大波乱の皐月賞だったが、内容的には大波乱とまでは言えなかったのではないだろうか。
それは、1番人気Nアドマイヤオーラと2番人気@フサイチホウオーが3,4着に来ている訳であるし、1着のPヴィクトリーも7番人気ではあったが能力が低い訳ではなかったからである。
調教で放馬したり、馬が騎手の言う事を聞かないなどの気性面に問題があるためで、通常はこんな馬は大舞台で活躍する事は無いからである。
私自身はPヴィクトリーへの期待も込めて@フサイチホウオー、Nアドマイヤオーラ、Pヴィクトリー、Qココナッツパンチの4点BOXとP,Qの軸で3連単を買ってはいたが、ヴィクトリーは途中で走るのを止めてしまわないかと本気で心配をしていた程である。
3着の@フサイチホウオーの足色を見ると、やはりあの中で1番強かった馬はフサイチホウオーだったんだなと改めて考えてしまう。
この馬の場合は、1番枠と言う不利な枠順であったのが首差敗れた原因と言えるのではないだろうか。
しかしあの上がりの凄まじいスピードを見れば、ただ者(馬)では無い事だけは十分に見せてくれた。
1着のヴィクトリーの評価が少し低かったのは理解できるのだが、問題は2着のHサンツェッペリンの評価をどう見るかである。
私の今後の予想では、Pヴィクトリーや@フサイチホウオーはこれからも活躍しそうだが、Hサンツェッペリンに関しては、人気にもならないだろうし、重賞でもなかなか勝てないと思っている。
それでは今回はPヴィクトリーに引っ張られたので、2着は単なるまぐれだったのかと言われるとそうは思えない面がある。
少なくとも皐月賞が15番人気となるような馬では無かったのはあのレース振りから見ても明らかである。
なぜこの馬が15番人気になったのかを調べてみる事が、今後の競馬予想をする上で大いに役立ちそうなのである。
Hサンツェッペリンの人気が極端に低かったのは前走のスプリングSのレース内容があまりにも悪かったからである。
当レースでは馬に発熱があったとかの記載もインターネット上に見かけられるのだが、それが単なる言い訳でなく事実であったにしても、本気で走って(走らせて)いなかったのは確かなようである。
レース後に、皐月賞のレース前予想をインターネット上で調べては見たが、Hサンツェッペリンを本命にしている人も居るには居たが、その馬以外では的外れな予想をしていたので、この人に関しては変人の部類の予想だったようである。
皐月賞の的中情報もインターネット上を流れてはいたが、タレントの田中が当たったとか、聞いた事も無い競馬関係者が一人か二人いるだけで、プロの予想家も3着の押さえは出来ても、2着まではとても予想できなかったようである。
事実、あと0.1秒もあれば1,2着は入れ替わっていただろうから、この予想は妥当な予想であったと言える。
ただ、何度も言うように15番人気になるような馬ではなかったので、こうなった理由を推察してみたい。
調教は全く走らない馬であるし、前述したように1走前のGUのスプリングSの結果が見せ場もなく8着だったのがこの馬の評価が低い理由の全てである。
スプリングS自体があまりレベルの高いレースではなかったので、ここでの8着と言うのは皐月賞での活躍は論外だったのである。
明らかにHサンツェッペリンは力を隠してこのレースに参加していた事になるのである。
改めてJRAのスプリングSの映像を見てみたのであるが、松岡正海騎手は積極的に前に行く様子は見せないし、4コーナ周辺でも勝ちに行く様子が見えず馬込みのなかで終始しているようである。
やはり、良く言われるようにこのレースはたたき台であり、馬込みの中でレース経験をさせてみたかっただけのようである。
勿論、こんな事を松岡騎手が勝手にやれる訳はなく、調教師の指示である事は間違いがない。
それを愚痴ったところで、大舞台の前に馬込みで揉まれる練習をさせてなにが悪いと言われるのがおちである。
馬鹿をみるのは、そうとも知らずスプリングSでサンツェッペリンの馬券を買った人である。
それでは、この馬の調教師とはどんな人物なのだろうか。
Hサンツェッペリンの調教師は斉藤誠と言う人で、36歳と言う調教師としてはかなり若い人のようである。
千葉県生まれの人で、調教助手から2006年に調教師の免許を取ったようである。(管理馬 29頭)
昔、大川慶次郎と言う有名な競馬評論家が、調教代わりにレースを使う陣営への反発もあって五冠馬シンザンに一度も本命印を打たなかった。と言うエピソードがあるが、この調教師もこのレースを皐月賞の練習用に使用した可能性は多分にある。
その意味では、今後もこの調教師のレースへの取り組み姿勢については注視する必要はあるだろう。
【注記】
2008年のJRA賞の授賞式にゴスホーケンクンの受賞で斉藤誠調教師が出席しておりました。
テレビの競馬番組のアナウンサーがインタビューをしていたのを見た限りではあるが、一目見た印象ではまだまだ若々しくて策略家的な印象は全くなく、それどころかユーモアもありそうな好人物の感じがしました。
私には馬を見る眼が無いのと同様に人を見る目も無いのではっきりした事は言えませんが、私の考え過ぎだったような気がしております。
中途半端な内容になってしまったが、今年の皐月賞はちょっと異常であった。
絶対の1番人気になるだろうと思っていた@フサイチホウオーが多少枠番が不利とは言え少し離された2番人気だったばかりでなく、@フサイチホウオーを疑問視する予想家がかなり多かった事である。
Nアドマイヤオーラには金曜日の時点からどこからか単発的な買いがちょくちょく入っていて、それが単勝の人気を押し上げたものだから、以前はフサイチホウオーはやたらすばらしいと言っていた競馬評論家連中がさっさとNアドマイヤオーラ本命に切り替えるという様(ざま)である。
競馬の人気なんてかなりムードに押し流されるものであるし、私の競馬評論家に対する不信感もますます強くなったのが今回の皐月賞だった。
この不信感はスーパーマン的競馬評論家が現れてくれない限り拭えそうも無い。