(25)貧乏人が儲からない理由(わけ)

私が貧乏人である事は紛れも無い事実である。
そんな人間が週末は競馬なんかをして過ごしている。
本人はそれでなんとか生活費の一部でも稼げないかと思ってやっているのだが、生活費を失ってばかりいる。

なぜ貧乏人は競馬で儲からないのだろうか。
最近ようやく解かりかけてきたような気がする。
以前は、貧乏人と金持ちの違いは馬券に賭ける金額の違いだと考えていた。
金持ちが10万円買う所を貧乏人は1000円がやっとである。
それだけだと思っていた。

それならば、100円を1万円と思い、1000円を10万円と思って買えばいいだけではないか。
1万円儲かったら100万円儲かった気分になれば良いだけならなんとかなりそうである。

しかし、やっぱり儲からない。
10万円を実際に買うのと1000円を10万円のつもりで買うのとでは気合いの入り方が違うのだろうかとも考えて見た。
競馬を予想する能力については金持ちに決して引けを取ってはいないはずである。
むしろ、自分の方が上ではないかと思っている。
金持ちはなにか特別に裏情報でも入るルートを持っているのだろうか。
馬主にでもなれば多少はそういった情報も入るのかも知れないが、そういった類(たぐい)の情報のほとんどは当てにならないと考えて間違いなさそうである。
実際に厩舎関係者から頼まれて買う馬券の情報でさえも、めったに当たらないと関係者は言っている程である。

もっと決定的な違いがある事に最近ようやく気づくことができた。
買う馬券が全く異なるのである。
貧乏人は120円の単勝を買うことは決してない。
150円でもまず買わない。
200円でどうしようか考える人もいるだろうがやはり買わないだろう。
理由は言うまでもなく儲かる金額が少なすぎるからである。

一方金持ちはどうだろうか。
買う金額が10〜100万円単位なので、120円は考えると思うが、150円なら喜んで買う馬券となるだろう。
200円もつけば上々の部類ではないだろうか。
600円もつこうものなら大勝利なのではないだろうか。
しかも、データが示す通りこれらの馬券はかなりの確率で的中する。

2〜3千円以上の配当がないと儲かったと感じない貧乏人とは勝負する土俵が根本的に異なっているのである。
悪い事に貧乏人癖がついてしまうと、お金ができた時でもそんな馬券の買い方しかできなくなってしまう。
結局は貧乏人は貧乏人のままずっと過ごす事になってしまう場合が多いようだ。

いったいどうしたら良いのだろうか。
まず、貧乏人は競馬で生活費を稼ごう等と、みみっちい考えを捨てる必要があるのではないか。
1000円や2000円のお金をいくら振り回した所で儲けなどたかが知れているではないか。
それと、貧乏人癖をつけないために、抵抗なく安い馬券を買えるようでなくてはならないだろう。(辛い事だが)
そうすれば、いつか金持ちの仲間入りが出来たとしたら、容易に儲ける事ができるようになっているのではないだろうか。
但し、その時は馬券が当たろうが外れようがどうでも良い状況だろう。
金持ちにとって、競馬をやると言う事は単なる暇つぶしの時間を持つ事に過ぎないのだから。