（２０）競馬とお邪魔虫馬の存在

競馬の予想をやっている人なら、誰でも何回も経験し、感じる事がある事の中にお邪魔虫馬の存在がある。
お邪魔虫馬とは、がちがちと思われたレースの中に、突如として人気薄の馬が１，２着に割り込んできて大荒れを起こす馬のことである。
このような馬の過去のデータはと見ると、ずっと連敗を重ねていて、いつも先頭とは大差で置いて行かれている。
その後はどうなるのかと見ると、やはり同じように、ずっと連敗を重ねて、やがて登録抹消になっている事が多い。

なぜ、その時だけ快走したのか全く判らない事が多いのも、お邪魔虫馬の特徴である。
厩舎関係者も判らないらしく、その時に特別馬券を買っている人もいないようである。
馬を見る目のある人の感想でも、パドックでも格別悪くは見えなかったが、良くも見えなかったと言う場合がほとんどである。
走ってみないと、全く判らないというのが実際なのである。
競馬に総流しという買い方があるのも、こうした馬が出現する事があるからであろう。

当然、高額配当の馬券にはなるのであるが、このような馬を予想する事はできない。
データ的には、好走の前兆らしきものも環境の変化もないので、データで馬券を買っている人には的中させる事が不可能なのである。
ただ、このようなケースはそう度々おこるものではなく、一見このように見える場合でも、実際には違う事も多い。
例えば、地方競馬のように馬場状態が不安定で、馬場の落とし穴みたいな所を走らされた有力馬が負ける場合がある。
このような地方競馬特有の大荒れ現象とは明らかに違うものである。

なぜ突如として能力以上の力を出す事ができるのだろうか。
私なりに考えてみたのであるが、以前は有力馬に引っ張られた形（競り合い）で、なんとなくついて行けたのではないかと考えていた。
ただ、それだけでは説明がつかないレースも多く、最近は火事場の馬鹿力的な考え方を主力にしている。
つまり、あらゆる動物は自分を守るために、本来の出せる力の限界までは出さないようにリミッターが働くと考えられる。
それが何かの拍子に、リミッターが外れかかる場合があるのではないだろうか。

原因はどうであれ、このような現象が無くなる事は無いと思う。
改めて、競馬に絶対は無いという言葉を噛みしめるべきであろう。
絶対と思われるレースはいくらでもあるが、やはり競馬に賭けるべきお金のリミットは設けるべきだと思う。

下記に記載した馬はお邪魔虫馬と言う訳ではないが、勝ち味（２着も含む）の遅かった馬を取り上げてみた。
このような馬は人気が無いので、ピックアップする事ができれば高配当を得る事ができる。

■未勝利馬で６レース出走以降にようやく１着または2着になった馬。