(8)データ競馬の限界とは

データ競馬の限界と言うより、現在提供されているデータでは限界があると申し上げた方が正確でしょう。 
現在提供されているデータの内容もかなり膨大なものです。
それでもまだ、レース結果に重大な影響を与える内容が不足していると感じています。
一つは競馬新聞などに出てくる厩舎情報という馬の状態のデータはありません。(主観的なデータなので扱いが難しいでしょうが)
競馬にはレースに参加させる側の都合があって、常に馬が最高の状態でレースに臨んでいる訳ではありません。
このことはレースの流れや結果に重大な影響を与えるので必須とも言えるデータなのですが全くありません。

又、競馬はスタートからの数秒や、馬の走路の位置取り、騎手の追い方や馬の状態等が大変重要なんですが、この状態をデータから読み取る事はできません。
コースの状態やレース中の不利もレースの結果に大変な影響を与えますが、これもデータから読み取る事はできません。
致命的なのは、競走馬個々のレースのラップタイムのデータが無いことです。
ラップタイムは、馬の基本的な競走能力を判断する上でかなり重要なデータであるのは間違いないでしょう。

データを分析する場合に、誤った(不正確な)データを使う事は致命的な判断ミスになります。
もともとJRAの提供するデータは記録的な意味合いが強く、競馬予想のために作られてはいませんから、予想する側から見た場合にはかなり不完全なものであるのは仕方の無い事でしょう。
本来ならばデータだけで、グラフィック的に不利の有無を含めたレースの全てを再現できるようでなくてはなりません。
残念ながら、JRAは過去のレース映像を見せる事でさえお金を取っている有様ですから、データだけでレースを再現できるような方向になる事を期待するのは無理だと思います。
現状で、レースの細部を見るには個人が グリーンチャンネル と契約して、朝からレースをじっくり見る以外方法がありません。
競馬のプロと呼ばれる人達がこれを利用しているのも十分に頷けます。

法律的に縛られてはいるようですが、近い将来は競馬を予想する人のための競馬データを提供する所ができるかもしれません。
そうなれば、わざわざレース映像を見なくても、グラフィック的なレースの再現ができるようになると思います。
それで的中率が上がるかどうかは判りませんが、競馬予想がもっと楽しいものになる事は間違いないでしょう。
競馬界に規制緩和が訪れるのは果たして何時になるのでしょうか。