(57)中山牝馬Sを予想してみる

競馬シーズンも本格化してきて競馬を趣味としている人もいよいよ遊びモードから実戦モードへと切り換えておられる事だろうと思う。
そんな中で明後日(2009年3月15日)に行われる中山牝馬S(GV)は実戦モードの第1戦として相応しいレースになりそうな予感がする。
未だ枠準も発表されていない状態でなぜそんな事が言えるのかだが、出走馬の過去の成績と過去の各馬の主なレース内容を映像で調べた結果でこのレースは人気になりそうな馬と実際に勝利する馬が異なるのではないかと感じた事によるものである。
人気になりそうな馬とは、ハンデ戦なのでハンデ頭のキストゥヘヴンとトールポピーの事である。
そして騎手人気で安藤騎手の騎乗するザレマが人気になりそうだと感じている。

ハンデ戦でハンデ頭になるのだから、ハンデの多い馬はJRAが強い馬と認識している事は間違いない。
これらの馬が負けそうだと感じるのは、単なる私の競馬の感性から来るものであり、気のせいである事の方が多いので当てになるものでは無いことだけは明記したいと思う。
それと、実際に人気の上位になる馬が、ハンデ頭では無い場合も多いので、これも既に誤っているかも知れない。

私が人気になりそうな馬が人気になるとして、その内の1頭のキストゥヘヴンについてだが、藤田騎手から横山騎手に乗り換わって陣営はこの馬に期待をしているのが伺い知れる。
前走の東京新聞杯は10着と惨敗しているが、不良馬場でのレースなので参考にはならないだろう。
前々走のマイルチャンピオンシップは13着だが、世界的な規模のGTレースでは、この馬の実力から見て当然と言えば当然の結果である。
その前の府中牝馬Sではカワカミプリンセスやブルーメンブラッドを相手にしての4着は立派であるし、その前の京成杯オータムハンデでは堂々の1着である。
これらの過去の実績から見るとこのレースで人気にならないようだったら馬券を買ってみたい程の馬なのである。
さすがにJRAのハンデキャッパーは、そんな事は見逃すはずは無いので、このレースはトップハンデの1頭になっているのである。

それ程の馬を蹴ろうとしているのだから、私の感性がどれ程頼りないものであるかが判ってしまうのだが、それは気にしない事にしたいと思う。
なぜなら、競馬を理屈で説明するには余りにも不確かな部分が多くて、どうしても無理を伴うからである。
人の感じ方(好き嫌い等)に理由は必要ではなく、そばだったかうどんだったを食べる音が気に入らないとかの理由で嫌われた男がいたが、単にそれを直せば好かれると言うものではないだろう。
キストゥヘヴンが危ないのではないかと言う根拠を競馬評論家的に無理にこじつけるとしたら、調子落ちの局面に入りかけているのではないかぐらいなものである。

ハンデ頭のもう1頭のトールポピーについては私には明確な理由がある。
実は、私自身はこのメンバーで最強の馬はトールポピーだと考えている。
過去9戦して1着3回2着3回の成績であり、その中でGTレースを2勝しているのだから、いかにこの馬の能力が高いかが判ろうかと言うものである。
もし、1頭を軸馬にすると言うのではあれば、私は迷わずにこの馬を軸馬にしたいと思う。
1番人気も恐らくこの馬になることだろう。

トールポピーがなぜ勝てないと私が考えているのかは、これも感性からとしか答えようがない。
ひょっとしたら感性ではなくて私の騎手の好き嫌いから来ているのかも知れない。
前走の秋華賞(GT)ではこの馬は1番人気だったし私もこの馬から馬券を買っていた。
レースを見ていてあきれたのだが、池添騎手という騎手のレベルが見えてしまったのである。
この騎手は成績から見ると2流の騎手には十分に入るレベルなのだが、完全にマニュアル人間のような気がする。
決められたパターン通りに走って勝つか負けるかだけのレースをしており、負けた場合でも自分の責任は無くて馬場のせいや馬のせいにしてしまう。
プライドが高いと言えば聞こえは良いが、悪く言えば舞い上がっている人間なので周りの声も受け入れる事は出来ないのだろう。
良くも悪くも現在の状態からは成長は出来ない人だろうと私は考えている。

騎手に多少の問題があるにしても馬のトールポピーが勝たせてくれる場合もあるので、1着になる可能性は当然ある。
ただ、私の感性は2着もしくは3着ではないかと耳元で囁いているのである。
もし、このレースで3着にも残れないようだとしたら池添騎手は3流以下の騎手と言えるだろう。

それではハンデ頭を抑えて1着になれる可能性のある馬はどの馬なのだろうか。
アルコセニューラは最近の成績から全く買えない。
新潟記念で1着になった事があるが、レース映像で調べてみたら新潟の直線コースの馬場差を利用して勝っただけだった。
カレイジャスミンも北村騎手の能力は高いが、この馬ではさすがに無理だろう。
キストゥヘヴンは前記したとおり不明である。
キャッチータイトルは51Kのハンデだが、この斤量でも2桁台の成績が3回もあるようでは無理と言わなければならないでしょう。
ザレマも人気になりそうだが、1着が少なくて2,3着が多い馬は信頼度は高いとは言えないでしょう。
ダンスオールナイトは三浦皇成騎手でしかも前走がルメール騎手で1着になっているので、もしやの期待は抱かせるのだが重賞の実績は無い。
テンイムホウも成績からは買える馬ではないが、前々走の京都牝馬Sで4着なのでザレマとは差は無さそうである。
トールポピーは恐らくここでは最強の馬だろうが、前記したとおり屋根(騎手)がまずい乗り方をする場合もある。
ハチマンダイボサツは蛯名マジックでも使わないと難しそうである。
この馬は使われ方を見ると1600m以下の馬ではないかと思われる。
ピンクカメオが勝つようだと競馬に過去のデータは関係が無い事になる。
ブラボーデイジーは大穴ならこの馬と言う事になるが、若い騎手で初めての重賞競走となると勝つまでは難しいだろう。
マイナカンナは最近の成績からは最初に蹴りたくなるような馬なのだが、去年のこのレースの映像を見ると勝つのはこの馬だろうと思えてくる。
ヤマニンエマイユはデムーロ騎手が騎乗しているのでどうなのかだけであろう。
ヤマニンメルベイユは前々走のクイーンS(GV)を逃げ切って勝っているので同じ馬主のヤマニンエマイユよりは有望ではないだろうか。
ただ休み明けなのと7歳馬なのがどうなのかである。
リビアーモは重賞実績は無いが、勢いならこの馬が最有力だろうし52Kのハンデも魅力である。
レッドアゲートは内田騎手に乗り換わったのは非常に大きい。
1800mと言う距離も、この馬には適しているのではないだろうか。
休養明けなので馬の状態にもよるが、レースが楽しみな1頭にはピックアップ出来るだろう。

以上自分なりに中山牝馬Sを予想して見ました。
人気動向によりますが、軸馬の選定さえ誤らなければ配当的にも満足出来るレースになりそうな感じがしております。
このようなレースを的中出来るのかどうかが、競馬で損ばかりする人とそうでない人の別れ道になるような気がします。

【後記】
私としては予想に少々自信があったレースだったのだが、完敗してしまいました。
キストゥヘヴンとトールポピーの1番人気を想定していたのだが、1番人気は騎手人気からかザレマだったのも少し意外な事だった。
それと横山騎手の騎手のレベルの高さを今回は軽視し過ぎていたかも知れない。
冷静に自分の心を分析してみると、キストゥヘヴンの引退レースで日本人的な心情から人気になるだろうと勝手に予想し、実際は勝負の世界の厳しさから勝てないだろう(勝って欲しくない)と思う私の気持ちが自分の競馬の感性だろうと判断した事が最大の過ちだった。
キストゥヘヴンが4番人気で人気がなさ過ぎると感じた時に冷静に判断出来れば、ピックアップは可能だったろうと考えている。

しかし、この馬をピックアップ出来たとしても2着のピンクカメオは全く度外視していた。
一部の競馬番組ではGT馬だから勝てたのだとか言っているが、去年の5月のNHKマイルC(GT)では確かに1着にはなっているが、その後12レースに参加して5着が2回あるだけで2桁台の着順が7回もあるような馬が果たしてGT馬と呼べるものだろうか。
1着になったNHKマイルC(GT)そのものが、馬場の悪コンデションで行われており、馬場差の影響で勝てたと見るのが自然なレースだった。
今回のレースは稍重の影響からかタイム的にも平凡なので、普通レベルの馬ならばどの馬にも勝つチャンスはあったと言う事だろうと思う。

私が普通レベルよりも上だと見たトールポピーは、10着の大惨敗だった。
この馬は今回休み明けで14k増だったので、今回の惨敗が調整の失敗か、馬場の影響か、池添騎手の騎乗のまずさなのかは私には判断は出来ない。
恐らくはそれら全ての影響があるだろうし、トールポピー自体のレベルが元々たいした事はなかったと言う事も考えられない訳ではない。
ただ、今回のレースに関しては馬場の悪さと斤量増の影響と枠順から判断して、相当に騎手の技量を必要としたのは確かだった。

この馬は池添騎手専用のような使い方をしているが、武豊騎手や安藤騎手のような一流騎手が騎乗してどうなるのか見せて貰いたいと考えている。
馬主のキャロットホームがそうした事には無関心なのか、変な義理立てをしているのかは不明だが、強い馬ならばレベルの高い騎手に騎乗して貰いたいと思うのは競馬ファンとしては当然の事だろう。
馬にとっても、もっと勝てるレースが騎手のレベルが低かったために勝てなかったとしたら不幸な事である。


レース結果コメントが他サイトに掲載されておりました。
その中の池添騎手のレース結果コメントを抜粋させていただきました。

「スタート直後にみんなにいい位置を取られてしまいました。
向正面で内に入れましたが、最後の直線でまた外に出されてしまいました。
休み明けの影響からか、4コーナーでの反応も鈍かった。
今日はスタートがすべてでした」

スタートが悪かった訳ではありませんでしたが、好位を走れなかったのであせって外をまくり気味に走ったので足を使った事と馬の状態が完調ではありませんでしたので追い込みの足も炸裂しなかっただけのようです。
馬場状態と馬場差の影響で枠順が10番手以降の馬にはきついレースであったのは確かのようです。
この中で12番枠の三浦皇成騎手の騎乗内容は目だっており、池添騎手はレベル的には追い越されてしまったようです。