(17)競馬は当たらないのが当然

インターネットのサイトに載っている競馬の悩みの質問を何気なく見ていたら、私は全然当たらないのですがどうしたら良いのでしょうかとの質問がありました。
随分くだらない質問をする人もいるもんだなと見てみたら、ご丁寧にその質問に回答している人もかなりおりました。
その回答欄には、回答する人が当たった自分の経験が載っていましたが、人の経験がそのまま通用する程競馬は甘くはありません。
そもそも、競馬が頭の体操などと言う言葉に踊らされて、ちょっとデータでも分析すれば競馬は結果が判る等と考えている事がおぞましい事なのではないでしょうか。
競馬の予想を職業としている人でさえめったに当たらないものが、どうして最近競馬を始めたばかりの人間が当てる事ができると言うのでしょうか。

競馬の単勝人気と馬の実力は、長期的にデータを見ると整合性があります。
そして単勝の1番人気が1着になる確率は30%前後である事も知られています。
つまり、1番人気の単勝を買えば、ほぼ3回に1回は的中するはずです。
そして年間程度で区切ってみれば、購入した金額の60〜70%は間違いなく還ってきます。
しかし、これで満足できる人はほとんど居ないでしょう。
そこで、普通は人気馬を外した馬券の購入に走ってしまう事になります。
この場合は、運が良くても10回に1回も当たれば良い方でしょう。

単勝ではなくて馬連の場合も考えてみましょう。
1番人気の馬が1着か2着になる確率はせいぜい50%でしょう。
2番人気の馬が1着か2着になる確率はいい所40%が限度でしょう。
1番人気と2番人気が1着と2着を分け合って決まる確率は0.5×0.4=0.2で20%です。
(実際に、2005年のレースで調べた所、1番人気と2番人気で決着したレースは15%程度でした。)

1番人気と2番人気の馬連を買っていれば5回に1回は的中して、配当が500円ならとんとんです。
配当の良い馬連でも、とんとんがやっとで、儲ける事は難しいと感じるのではないでしょうか。
これでは、単勝と同様で1番人気と2番人気の馬連を買いたいと思う人は少ないはずです。

もっとも的中し易い馬券でも当たるのはこの程度なのです。
儲からないからと、人気馬を外す傾向のある人が、自分の買う馬券が当たらない当たらないと嘆くのは元々おかしいと思います。
宝くじ買っている人が、いくら買っても当たらないからどうしましょうと悩んでいるようなもので、こんな悩みに回答はできません。
恐らく、このような質問をする人は、これからも競馬の必勝法を求めてさまよい続ける事でしょう。
競馬の本質を理解していない限り、無駄な努力ばかりか貴重なお金を無駄に失うような気がしてなりません。
競馬は決して当てる物ではなくて、当たる事もある物ですが外れる事も多い物であると考えるべきでしょう。
競馬に必然性を求めても無理である事を十分に認識するべきだと思います。